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粉瘤(くり抜き法)

粉瘤(アテローム)とは

粉瘤(アテローム)とは粉瘤(ふんりゅう)は皮下腫瘍のことで、別名「アテローム」と呼ばれています。
「腫瘍」という言葉だけを見ると不安になる方もいらっしゃると思いますが、良性疾患であり、体の様々な場所に発生する可能性があります。
粉瘤は、皮膚の内部に袋状のできものが生じ、皮脂や垢などの老廃物が蓄積することでできる良性腫瘍のことです。初期の状態はしこり程度の形状ですが、細菌感染を引き起こすと炎症によって化膿し、強い痛みを伴います。
粉瘤は放置しても治癒しないため、炎症や化膿を起こす前に袋状の組織ごと切除する必要があります。

粉瘤ができやすい人の特徴・原因

ホルモンバランスの乱れ

皮膚のターンオーバーによって剥がれるはずの垢や皮脂が蓄積すると、粉瘤が発生しやすくなります。そのため、汗っかきな体質の方やホルモンバランスが崩れている方は、注意が必要です。

できやすい体質

粉瘤は、男性の方が発生しやすいと言われています。
また、体質によって粉瘤が発生しやすい方もいらっしゃり、その場合は何度もできてしまうことがあります。袋状のできものを取り出しても、再び粉瘤が発生する場合は、体質による問題の可能性があります。

粉瘤の症状・見分け方

  • 弾力がある
  • 数mm~数cmの袋状のしこり
  • 真ん中に小さな黒い点のような穴が見られる
  • かゆみや痛みなどの症状が出ることは滅多になり
  • 強く押すと潰れて、ドロドロの内容物が出てくる
  • 細菌感染や炎症が発生した場合、痛みや赤い腫れを伴う

粉瘤の日帰り手術(くり抜き法)

粉瘤は放っておいても自然に治ることはありません。潰すと感染や炎症が発生する場合もあり、粉瘤が巨大化する恐れもあります。当院では、最小限の傷口で粉瘤を取り除く外科手術に対応しています。

くり抜き法の流れ

1粉瘤のへそ(開口)の確認

粉瘤のへそ(開口)の確認粉瘤は毛穴から生じる皮膚のできものであり、皮膚の表面にへそ(開口)が見られます。へそを適切に確認できないと、腫瘍を完全に取り除けず、再発する恐れがあります。

2消毒

ベッドの上で手術を行いやすい姿勢になって頂きます。
体に発生している場合、クロルヘキシジンを含むアルコール製剤で消毒を行います。顔や粘膜付近に発生している場合、塩酸ベンザルコニウムで消毒を行います。
※アレルギーがある方には行いません。

3手術用の布を被せる

手術用の手袋は、滅菌処理が施され、無菌状態のものを用います。
滅菌済みの穴が開いた布を使って、清潔野を作ります。手術では、清潔野を作ることが非常に重要です。これは、術後の傷の治り具合や感染症発生率に影響する恐れがあるためです。

4局所麻酔

局所麻酔29-31Gの極細の針を使って注意深く局所麻酔をします。針の太さは数字が大きければ大きい程細くなりますが、なかには25-6Gの針を採用している医療機関もあります。袋と皮膚を剥がすように注意深く広い範囲に麻酔を行います。また、ゆっくりと注射をする方が痛みは起こりづらいとされています。

5くり抜き

くり抜き円形の刃が備わったトレパンという器具(2-6mm)を使って、粉瘤のへそを基準にして袋を突き刺すくらいの深さまでくり抜きます。

6内容物・袋の摘出

内容物・袋の摘出手を使って圧迫することで、粉瘤の中身を摘出します。圧迫するだけで袋も取り出せることがあります。
剪刃(はさみ)と鑷子(ピンセット)を使って、穴からゆっくりと袋を取り出します。生理食塩水で内部を洗うこともあります。

7縫合・ガーゼ

縫合・ガーゼ縫合したらガーゼできちんと患部を抑えて、施術は完了です。

くり抜き法の費用

粉瘤のサイズ 料金
直径2cm未満 約6,000円
直径2cm以上4cm未満 約12,000円
直径4cm以上 約14,000円

※診察料、処方料、検査費用などは別途かかります。

粉瘤を自分で潰すのは危険

粉瘤はご自身で潰さないようにしてください。
潰してしまうと、開口部が大きくなり、細菌が侵入すると、粉瘤が2~3倍に巨大化する場合もあります。その場合、炎症によって痛みが起こったり、完治しても痕が残ったりする恐れがあります。
放っておいても大きくならないこともありますが、徐々に巨大化することもあります。
自然に治ることはありませんので、なるべく早めに当院までご相談ください。